20.02.14 感覚の解像度を取り戻すー漆と竈ーそれぞれの活動

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白い息を吐きながら、漆の器を手に包み込む。
木と漆のボードで、波に漂う。
大地を生きた素材と、人間の肌の、不思議な交信がはじまる。
 
火があるだけで生き返った気がする。生きているという気がする。
かまどで炊くご飯はなぜもこんなに美味しいのか。
頬に当たる熱気。煙の匂いとコーヒーの香り。
 
春の野で、秋の庭で、夏の海で、雪の森で、
街のビルでも。
季節の巡りと、この時こその出会いを祝うこと。
みんなで「いただきます」といってご飯をいただくこと。
 
干からびそうだったプリミティブな感性が、
ジュワッとあるべき状態に戻っていく。
全ては、そういうことなのだと思う。
 
これからの時代を生きるための「感覚の解像度」の回復。
 
漆や火といったものは、そのための「装置」で、
3人のプロジェクトは、
それを可能にする「設定」なのかもしれない。
 
そしてこのような共感しあえるプロジェクトが、
異なる場所で同時に起こっていること。
そのことの意味を、考えざるを得ません。
 
この度、筑波大学と木曽漆器青年部から、
漆や竃にかかわるプロジェクトを展開するみなさんが
京都を訪問してくださいます。
 
本当は今すぐにでも野で竃を炊き、宴会をしたいところですが、
より多くの皆さんに知っていただこうと、
まずは街の中で。
 
美味しいご飯をいただき、語らい、共に遊ぶことを企みましょう。
 
京都・京北の無農薬野菜で作った竃料理と、
漆の器「かしだしっき」との共演もお楽しみください。
 
 
日時
2月14日(金)
18:30 開場
19:00 開始〜21:30 まで
 
会場
TRAFFFIC
 
会費
3,000円(ケータリング付)
 
 
申し込み
https://forms.gle/X2iqDyKsuZNqyCg5A
 
 
スピーカー
 
◉宮原 克人
筑波大学 芸術系 クラフト領域 准教授
東京藝術大学美術学部工芸科卒業、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻(漆芸)修了。東京藝術大学美術学部助手、非常勤講師を経て現職。日本文化財漆協会理事。「Plants Planets」はじまりの美術館 2017,「KENPOKU ART」茨城県 2016などで作品を発表。現在は木曽漆器青年部とともに、木曽漆器産地の成り立ちやルーツを見直し、新たな漆文化振興につなげる「かしだしっき」プロジェクトなどを展開中。
 
 
◉原 忠信
筑波大学 芸術系 ビジュアルデザイン領域 准教授
1993年 筑波大学芸術専門学群卒業。1997年 Rhode Island School of Design, MFA修了。米国と日本にて、Apple、Coca-Cola、PIXARなどのブランド構築プロジェクトに携わる。近年は、自作の竈を自転車で運び調理する「竈プロジェクト」、漆器を雪山で使う遊び「back to japan」、筑波山登山道の見守り&メンテナンスを行う「つくばトレイルガーディアンズ」の活動など、遊びや体験をコミュニティのレジリエンス力向上に結びつける「PLAY RESILIENCE」の方法について研究している。
 
 
◉堤 卓也
一般社団法人パースペクティブ/堤淺吉漆店
北海道大学農学部を卒業後、他業種を経て2004年から家業に従事。漆漉し・精製・調合等に携わり、伝統産業や修復分野において、ニーズに合わせた商品を提供する。一方で、人々の暮らしと漆との距離感や、漆の生産量の減少に危機感を感じ、漆のある暮らしを次世代の子ども達につなぐ取り組みとして「うるしのいっぽ」を始める。「サーフボード×漆」「BMX×漆」「スケボー×漆」など、今までになかった取り合わせを通じて、漆との新しい出会いを提供する。漆という縄文時代から使われてきたサステナブルな自然素材を通してできる「巡る社会」を目指し、2019年5月「一般社団法人パースペクティブ」設立。
 
 
▼聞き手・ファシリテーター
 
 
◉桜井 肖典
一般社団法人 RELEASE;共同代表/構想家
2000年よりデザインコンサルティング会社を経営、様々な分野でデザインプロジェクトの企画監修を重ねる。2012年より持続可能性と事業性を両立する「未来が歓迎するビジネス」のデザイン組織としてRELEASE;を始動。京都をはじめ各地の企業や自治体とともに、領域横断的な事業構想と具現化を推進している。
 
 
▼フード
◉雷来軒 外山 雷花
都会を離れ、海に出会い、深く潜り、五感を震わせながら、子どもと共に育ちたい、と山あいの地、京都・京北に移住。「好きな人に美味いもん食わしたい」という雷来軒の根っこの思いは、この地で更に揺るぎないものになる。田を豊穣に導く稲妻のように、お腹の底に力を灯す、強くやさしいごはんとともに雷来します。
 
 
 
▼その他の客人たち
 
 
◉若林 智彦
所属:塩尻市産業振興事業部産業政策課
市役所内に漆を浸透させたい!
 
 
以下、木曽漆器青年部の皆さま↓
 
 
◉立川 あゆ
所属:塩尻市地域おこし協力隊 
空家対策に従事。埼玉出身。木曽平沢居住二年目。空き家から出た古道具で空家改修費を賄う「ふるものいち」の活動もやっております。生活をつくることに興味があり画策中です。
 
 
◉下村 秀博
所属:塩尻市観光協会 観光コーディネーター
SSKプロビジョン株式会社代表取締役 広告代理店にて政治と車を担当したのち、事業会社広報、外資系マーケティング会社を経て独立。リアル・デジタル双方でのマーケティング・プロモーションの経験を活かし、漆器の魅力を広く伝えたいと思っています。
 
 
◉宮原 義宗
塗師38歳。漆器製造・文化財修復。名古屋城本丸御殿、ニューヨーク本願寺、上野東照宮、仁和寺大黒堂etc
 
 
◉百瀬 友彦
所属:(財)塩尻・木曽地域地場産業振興センター
法政大学 文学部 史学科卒
趣味:弓道、ワイン
文化財修復事業に取り組む。(名古屋城本丸御殿復元事業等の支援)
昭和女子大学環境デザイン学科と産学連携事業に取り組む。(新規ブランド「cocoro concept」を立ち上げる。)
 
 
◉酒井 幹治
所属:酒井産業(株)木曽漆器青年部 部長  木育インストラクター
青年部事業として、空家のリフォーム活用、アーティストインレジデンス
空家改装し短期宿泊施設、「かしだしっきの活用」、プロモーションビデオ他